【25,26卒向け】野村総合研究所の就活情報

野村総合研究所は,民間総合シンクタンクである旧野村総合研究所と,野村證券グループのIT部門である野村コンピュータシステム株式会社が合併して誕生した企業です. いわゆる最大手SIerの一つであり,大手SIerの中でも特に金融系,流通系の案件が多いことが特徴です. 公開情報をもとにまとめますが,主観が一定程度含まれていることをご了承ください.

基本情報

  • 創業年:1965年(野村総合研究所),1966年(野村コンピュータシステム)
  • 従業員数:17,394人(連結),6,782人(個別)
  • 平均年齢:40.6歳
  • 平均年収:1,242万円(賞与,残業代等含む)
  • 平均勤続年数:14.6年
  • 開発経験:不問
  • 上場:東証プライム

福利厚生情報

  • 勤務時間:入社後しばらくはフレックスタイム制,その後は裁量労働制
  • 有給休暇:初年度は17日で,最大年23日.最大46日まで保有可.
  • その他休暇:暑中休暇,リフレッシュ休暇,慶弔休暇,産前産後休暇等あり
  • 住宅手当:独身寮が首都圏に数か所.住宅手当も一定の条件のもとあり

より詳細な情報は野村総合研究所の福利厚生 にて.

開発経験について

「採用担当者の本音」 を見ると,アプリケーションエンジニアなどにおいても,開発経験は不問とのことです.一方で,「また技術革新のスピードが速い世界ですのでどんどん新しいことを継続的にキャッチアップしていく必要もあります。つまり専門性を身につける上での素養やマインド、ポテンシャルがあるかということが重要なのです。」とも記されており,開発経験を示す中で,自分にはその素養があるという論理展開にすることは十分可能であり,また有効ではないかと思います.

インターンシップ情報

野村総合研究所は夏季インターンシップ,冬季インターンシップを実施しています. エンジニアに関係するインターンシップはITソリューションコース,DXエキスパートコース,セキュリティエキスパートコースの三つがあります.

夏季インターンシップはおおむね6月中旬にエントリーが締め切られ夏に5日間程度行われます. 冬季インターンシップはおおむね9月中旬にエントリーが締め切られこちらは11月から1月の各クールに5日間程度行われます.(DXエキスパートコースは9日間,セキュリティエキスパートコースは8日間)

各地域で行われますが,首都圏での開催の際には,旅費・宿泊施設が用意されます.日当は別途1万円支給されます.

選考内容

職種情報

野村総合研究所のエンジニア職は,以下のような職種があります. まず前提として,野村総合研究所はエンジニアにとって,ほぼほぼ「システムインテグレータ(SIer)」という位置づけであることをご留意ください.

なお,以下の「アプリケーションエンジニア(AE)」「テクニカルエンジニア(TE)」の区別は野村総合研究所の面接では割と鉄板?らしく,区別を自分なりに説明できるようにしておくとよいかもしれません.AE/TEの区別を紹介する記事 もご覧ください.

アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアは,「業務」に軸足を置いたエンジニア職です. 業務に関する要件定義やアプリケーションの設計,開発などを行います. 顧客業界の動向調査や新規事業立案なども行います.

テクニカルエンジニア

テクニカルエンジニアは,「技術」に軸足を置いたエンジニア職です. 顧客に合わせた技術の導入や検証,技術調査などを行います. 具体的には,処理方式の詳細部分を決定したり,新技術の適用を検討します.

セキュリティスペシャリスト

まさにセキュリティの専門家として,アプリケーションのセキュリティ診断・監視・対策などを行います. 具体的には,脆弱性診断やペネトレーションテスト,セキュリティ監視,セキュリティ対策の提案などを行います.

おすすめの選考対策

野村総合研究所が求める人物像

「24卒向け 人事部長からのメッセージ」 には,「プロフェッショナルになるために必要な素養は2つです。何事にも挑戦し続ける強い意志、そして自ら考え自ら目標を立てて行動する自立性です。とあり,また「採用コンセプト」 には「あなたの志向(やりたい事)や価値観そして考え方が、NRIという会社に合致しているか」,「専門知識を吸収し、一定レベルのコミュニケーションを行う能力を保有しているか」とあります.「合致しているか」というのはおおむね前述の「強い意志」「自立性」に該当すると思われます.

ES内容について

先ほども紹介したリンクですが,「採用担当者の本音」 には,エントリーシートへのヒントも記されています. 例えば論理性があるとともに,読み手を意識したサービス精神があるということが求められているようです.実際,入社後に文書を作成する機会が多い職種でもあるでしょうから,そのような能力が求められているのは当然と言えば当然と言えます.

社風について

福利厚生のページ にも記されている通り,最初の1,2年はフレックスタイム制で,その後は裁量労働制となります.初年度から17日分の有給休暇が付与されるというのは,かなり優遇されているといえるのではないでしょうか. 働き方についての記事は,「動機社員が語るNRIの社風 」や「社員インタビュー 」,「社員の一週間 」などを参照してください.

事業内容について

ここまで野村総合研究所の選考情報を紹介してきましたが,最後に事業内容についても簡単に紹介しておきます. より詳しく知りたい方は,野村総合研究所のIR資料 をご覧ください.

野村総合研究所の事業は,以下のセグメントに分けられます.エンジニアに限定した人数は記載されていないため,様々な職種の方の合計人数であることにご留意ください.

また,以下の売り上げ収益は内部売り上げ収益を含むため,合計すると100%を超えます.有価証券報告書では調整額で補正されていますが,ここではそのまま記載します.

コンサルティング (1024人(本社)/1441人(連結))

野村総合研究所といえばコンサルティング,と思う方もいらっしゃるかもしれませんが,今やコンサルティングの売上収益は全体の6.9%,営業利益は全体の11%となっています.DX関連のコンサルティングを主に推し進めており,エンジニアとしてのキャリアを積んだ後にコンサルタントに転身するというのも一つの選択肢としてありうるものと思います.

金融ITソリューション (2625人(本社)/5810人(連結))

証券会社,資産運用会社,保険会社,銀行向けの開発・製品販売および運用サービスが主な事業です. やはり野村證券との関係が強いこともあり,金融系の案件が多いことが特徴です.手がけた案件の一部は,「金融業界向け ソリューション一覧 」に記載されています. 売上収益は全体の48.3%,営業利益は全体の44.5%となっています.

産業ITソリューション (961人(本社)/6736人(連結))

流通,製造,サービス業等への開発・製品販売および運用サービスが主な事業です.主要顧客は例えば「NRI産業ITソリューション 」のページに記載されています. ここで,金融ソリューションに比べると本社人数が少ないことがわかりますよね.これはつまり,産業ソリューションは,本社に所属している社員よりも,子会社,あるいは子会社に出向した社員が手がける案件が多いということを意味しますね.売上収益は全体の39.9%,営業利益は全体の21.8%となっています.

IT基盤サービス(1556人(本社)/2549人(連結))

例えば顧客企業がDXを推進しようとする際に,その基盤となるインフラの構築・運用・最適化などを行います.セキュリティに関する診断やコンサルティングも行います.具体的な事例は「NRI IT基盤サービス 」のページに記載されています. 売上収益は全体の24.5%,営業利益は全体の20.9%となっています.

まとめ

以上をまとめると,金融系の案件で安定的に収益をあげながら,流通や製造,または顧客のDX変革支援など,幅広い事業を手掛けている企業であるといえます. このような大企業であるため,入社する前にどの案件につくのかを予想することは困難というか不可能に近いです.そのため,どのような案件があるのかを知り,また社内での異動の制度などをOB訪問などで聞いておくのがよいかと思います.

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