エンジニア就活!受かるES・ガクチカとは?

ES書くの,難しいですよね.わかります. 私も最初の頃は「何書かないといけないんだろう」と思っていました.就活の最後のほうではようやく慣れてきたものの,最初のころは本当に苦労したものです.今回は,そんなESの書き方について,私の経験をもとにまとめていきます.

そもそもESは何のためにある?

一言でいえば,ESはまず「書類選考での足切り」と「人物が自社の求める性質と合致しているかの確認」のためにあるといえます. そもそも面接自体が,書類選考での足切りを通過した人物の人物の一貫性の確認のためにあると言え,そしてその一助としてESがあるというわけです.

足切りされるのってどんな人?

ESは,書類選考での足切りのためにあるといいました.では,どのような人が足切りされるのでしょうか. 例えば「学歴」などがすぐ思いつくかもしれませんが,必ずしも問題は学歴ではありません.もっと重要なのは,以下の二つです.

  • 言葉遣いや表現が不適切であったり,誤字脱字が多い
  • 志望動機がその会社にフォーカスしていない

言葉遣いや表現が不適切であったり,誤字脱字が多い

例えば敬語が間違っていたり,てにをはが正しく使えていなかったりすると,「文章によるコミュニケーション能力不足」と判断されてしまう可能性があります.だって,客先にメールを送るときにそんな文章力のない人間は使えないですよね. エンジニアとてメールを送ったり文章でのコミュニケーションは必須ですから,文章はしっかり推敲して,誤字脱字がないようにしましょう.

志望動機がその会社にフォーカスしていない

これは例えば「グローバル企業だから」とか,「成長できるから」とか,「社会貢献できるから」といった,その会社に限らずどの会社でも言えるようなことを書いてしまうと,「その会社に限らずどこでもいいんじゃないの?」と思われてしまう可能性があります. 実際どこでもいいんだよ!! と思ったそこのあなた.それ自体は別に構いません.ですが,会社に気取られてはいけません.それが文章でのコミュニケーション能力の一つです.そもそも,本当の志望動機を書いてくれるとは企業の側も思っていません.「志望動機を答えよ」という設問は,「貴方がうちの会社の事業内容や社風を知っているということを,志望動機を通じて示せ」と言っているのに等しいのです.

ではどうすればいいのか?というと,企業研究です.とはいってもESの時点では,そこまで思いっきりやれというわけではありません.例えばサイバーエージェントが「広告事業から始まった」とか,DeNAが「近年ヘルスケアにも力を入れている」とか,「野村総合研究所は証券業界に強い」とか,そういうことを意識して,「あなたの会社のこと,知ってますよ」ということを示すくらいでよいです.

会社はESに何を求めているのか?

さて,文章力の最低条件を満たしていることは前提としておいて,そのほかには何を求められているのでしょうか. それは,「面接での自己アピールの根拠づけ」です.就活生は,面接とESの内容が一貫しており,かつそれが自分の経験や価値観に基づいており,さらにそれがその会社で活かせるということを示す必要があります.

「ガクチカ」は何のためにある?

それではいわゆる「ガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)」は何のためにあるのでしょうか. 企業は本当にあなたが「学生時代に頑張ったこと」を知りたいのでしょうか.そういう会社もあるかもしれませんが,それはあくまで「あなたが学生時代に頑張ったこと」が「その会社で活かせるかどうか」を知りたいからです. 設問を正しく読み解きましょう.「学生時代に頑張ったことを教えてください」というのは,「あなたがこの会社で自分の能力を活かせるということを,学生時代に頑張ったことを通して教えてください」ということです.ですから,如何にそのガクチカエピソードが壮大で素晴らしいものであっても,その会社で活かせないのであれば,それはガクチカとしては意味をなしません.

会社はそもそもどんな人を求めている?

では,会社はそもそもどんな人を求めているのでしょうか. もちろん会社によって異なるのですが,よくあるのは以下のようなことです.

  • 主体的に行動できる
  • 技術に関心がある
  • チームで働ける
  • 発想力がある
  • 柔軟に対応できる

これらそれぞれに対して,ガクチカエピソードのうち,強調すべき部分が異なりますよね.少しだけ例を見てみましょう.

テンプレ

「私は,学生時代に××というサークルに所属していました.その時に,××が原因で××という問題が発生しました.私は,この問題を解決するために,××を行いました.その結果,××という成果を出すことができました.」 ここからは,テンプレを少しずつ変えていきます.

主体的に行動できる

「私は,学生時代に××というサークルに所属していました.その時に,××が原因で××という問題が発生しました.この時私は,××を解決するには,××を行う必要があると考えました.しかし,××は今まで半ばなし崩し的に続いてきていた制度で,部員の中にはこれを当たり前と思っている人たちもいました.そこで私は,部員の説得を行い,××を行うことに成功しました.その結果,××という成果を出すことができました.」

技術に関心がある

「私は,学生時代に××というサークルに所属していました.その時に,××が原因で××という問題が発生しました.この時私は,××を解決するには,××を行う必要があると考えました.私はこの時,××という技術を用いればこの問題が解決できるのではないかと考え,一から学ぶところから始めました.慣れない部分が手探るにはなりましたが,最終的には××を用いて××を行うことに成功しました.その結果,××という成果を出すことができました.」

チームで働ける

「私は,学生時代に××というサークルに所属していました.その時に,××が原因で××という問題が発生しました.この時私は,××を解決するには,××を行う必要があると考えました.しかし,サークルメンバーの中には,××を行うことに反対する人もいました.そこで私は,××を行うことに反対する人たちの意見を聞き,彼らの意見を取り入れた××を行うことに成功しました.その結果,はじめに意図していたよりもより優れた,××という成果を出すことができました.」

ガクチカまとめ

まとめると,ガクチカをESに書く前に,その企業が求めている人物像をしっかりと把握し,「何がウケるかな?」ということを考えて話を再構成することが大切です.

会社がどんな人を求めているかを知る方法

では,会社がどんな人を求めているかを知るにはどうすればいいのでしょうか.それは主に,会社の募集要項や,採用ページを読むことで理解することができます. 「会社の募集要項なんか見て当てになんの?」と思うかもしれませんが,基本的にここで噓をつくモチベーションは会社にはありませんから,ある程度は推論することができると思います.それでは,具体例を見てみましょう.

例:サイバーエージェント

サイバーエージェントは募集要項にこそ書かれていませんが,「エンジニア新卒採用を徹底解剖」 というページに,「「信頼できるパーソナルを持っているか」「周りがついて行きたいと思える人物か」「素直でいいやつであるか」と書かれています.詳細はページを参照していただければと思いますが,全体としてその時点での技術力よりも,言行の一致やチームとしての活動適性を見ていることが伺えます.

例:DeNA

DeNAのエンジニア職種紹介ページ には,「様々な役割・専門性を持った方と協働できるコミュニケーション力、ソフトウェアエンジニアとしての専門性を高める自己研鑽・自走力、それぞれの役割はありつつも、チームと連携し結果を出すオーナーシップ。」 と書かれています.サイバーエージェントがどちらかというと人間力的な部分を強調していたのに対して,DeNAは技術を自分で学ぶ力をはっきりと求めているのが特徴的ですね.このような場合には,例えば何かの言語を自分で主体的に学び実際に生かした経験などがガクチカとしては適しているでしょう.もちろんコミュニケーション力でガクチカを構成することは可能で,それはサイバーエージェントの場合と同様に,「チームで活動した経験」などをガクチカとして書くことで可能です.

例:野村総合研究所

野村総合研究所の「24卒向け 人事部長からのメッセージ」 には,「プロフェッショナルになるために必要な素養は2つです。何事にも挑戦し続ける強い意志、そして自ら考え自ら目標を立てて行動する自立性です。」と書かれています. このような場合には,「自分で考えて行動した経験」がガクチカとして適しているでしょう.他社選考においては,例えばほかの人がリーダーとなっているチームで活動した経験をガクチカとして書くこともあるとは思いますが,野村総合研究所の場合は,なるべく自分が先頭に立って考えて行ったことを記すのがよいと推察できます.

まとめ

今回の内容をまとめると,以下のようになります.

  • ESは,書類選考での足切りと,人物が自社の求める性質と合致しているかの確認のためにある
  • 「志望動機を答えよ」という設問は,「貴方がうちの会社の事業内容や社風を知っているということを,志望動機を通じて示せ」と言っているのに等しい
  • 「学生時代に頑張ったことを教えてください」という設問は,「あなたがこの会社で自分の能力を活かせるということを,学生時代に頑張ったことを通して教えてください」と言っているのに等しい
  • 会社がどんな人を求めているかを知るには,会社の募集要項や,採用ページを読むことで理解することができる

ESは本当に,それぞれの企業ごとに細かく作りこむだけで本当に通過率,そしてそのあとの面接のやりやすさが変わってくるので,ぜひ頑張ってみてください!

追記

ESは自分で見ているだけだと,なんだか慣れてしまって,「これでいいのかな?」という感覚が麻痺してしまうことがあります.そういうときは,ぜひ周りの人に見てもらって,「これはどう思う?」という感じで意見をもらうとよいです.ちなみに自分は大学のキャリアセンターに一度見てもらったことがあります.内容としてはここに書いたようなこと(の部分集合)をいわれただけである種当たり前のことではあったんですが,それでも当時に自分からしたらとても参考になりました.なんならChatGPTでもよいので,意見をもらうとよいです.

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