【25,26卒エンジニア向け】サイバーエージェントの就活情報

サイバーエージェントはいわゆるメガベンチャーと言われる企業の一つです. 事業の柱や財務状況なども分析しながら,就職先の候補として検討してみましょう. 公開情報をもとにまとめますが,主観が一定程度含まれていることをご了承ください.

基本情報

  • 創業年: 1998年
  • 従業員数:約6,337人(連結),約1,977人(単体)
  • 初年度エンジニア標準年収:500万円~(賞与,固定残業代80時間,深夜手当46時間含む)
  • 固定残業代・賞与を含まない月収:約24.7万円
  • 平均給与: 817万円(賞与,残業代等含む)
  • 平均年齢: 34.2歳
  • 平均勤続年数: 6年1ヶ月
  • 開発経験:必須
  • コーディングテスト:なし?
  • 上場:東証プライム

福利厚生情報

  • 有給休暇:初年度10日(夏季休暇は別途3日,入社3年目以上であれば5日リフレッシュ休暇)
  • 家賃補助:2駅圏内に住んでいれば月3万円,勤続5年以上であればどこに住んでいても月5万円
  • 退職金制度:30歳から積立が開始され,勤続10年以上から受け取り可能
  • 生理休暇・妊活休暇,乱視凍結補助等,女性活躍促進制度あり より詳細な情報はサイバーエージェント公式の福利厚生ページ にて.

開発経験について

多くの職種で,志望職種に関連した開発経験が求められています. 機械学習エンジニア,データサイエンティスト,大規模データ処理基盤エンジニア,ビジネスアナリストにおいては,学会発表や論文誌への投稿の経験でもよいと記されています. ゲームクライアントエンジニア,テクニカルアーティストにおいては,特に記述はなく必須ではないと思われます.

インターンシップ情報

  • 全職種向けの実践就業型インターンシップ
  • 各職種向けの短期技術体験/開発型インターンシップ

実践就業型インターンシップ

事業内容について で紹介してますように,サイバーエージェントには多くの事業(メディア事業,ゲーム事業,…)がありますが,それらについて就業体験を行うインターンシップとなっています. 時給は1500~2500円で,期間は一か月,勤務時間は一般的な社員と同じ10時~19時となっています. 参加者には一部採用選考スキップの可能性もあると明記されています.

短期インターンシップ

例えば25卒向けには2days インフラエンジニア向け クラウド技術体験型インターンシップ ~仮想マシン編~ などがありましたように,分野を絞った短期のインターンが企画されています. 遠方在住であれば宿泊場所の手配,そうでなくても交通費は支給されますが,基本的には無給でのインターンとなります. 選考も書類のみで,就業型インターンシップと違い採用選考スキップ特典などは明記されておらず,純粋に勉強目的のインターンといえるでしょう.

選考内容

書類選考と面接複数回と記載されており,コーディングテストはないように見受けられます. メガベンチャーは比較的コーディングテストなどを課す傾向にあるので,少し珍しいといえます.

上級職について

サイバーエージェントでは,通常のエンジニア職のほかに,以下の制度が設けられています.

Advanced選考

年俸が最大720万円となり,不合格の場合にも通常のエンジニア職の選考に進むことができます. 選考期間も1日もしくは2日ということもあり,決まるときはすぐに決まる形のようです. 「特定の技術領域にて開発経験が豊富な方、顕著な知見をお持ちの方」が対象となっており,例えばサービスを運営した経験がある,論文を発表した経験がある場合などに有利に働くと思われます.

エキスパート認定選考

年俸が最低720万円であり,不合格の場合にも通常のエンジニア職の選考に進むことができます. Advanced選考とは異なり,選考期間は1か月程度と明示されています. 特定の専門領域において,「顕著な知見をお持ちの方」が対象となっており,例えば著名な国際学会などでの論文採択実績や,OSSコントリビューション実績などが想定されているようです.

選考は通年で行われていて,いつでもエントリーすることができるようです.

社風について(主観を大いに含みます)

「FA権」と呼ばれる部署移動サポート制度や,エンジニア向け評価制度など, エンジニア向けの支援制度が存在しています.

事業内容について

ここまでサイバーエージェントの募集に関する情報を並べてきましたが, ここからはその事業内容について,IR資料をベースにまとめます. 採用情報と同じく,これも公開情報をもとに資料をまとめています. より詳しく知りたい方は,サイバーエージェントのIR資料 をご覧ください.

サイバーエージェントの事業は,以下の3つのセグメントに分けられます.括弧内の人数については,DeNA個別のものを表しています(2023年3月現在).サイバーエージェントでは子会社を含め他社に出向することも珍しくなく,この資料では出向先の所属でカウントされています.例えばゲーム事業は25人しかいないことになっていますが,これはおそらくゲーム事業で採用された社員が多くはCyGamesなどで出向して働いていることによるものと思われますね.

メディア事業(278人(本社)/871人(連結会社))

ここにはAbema,Ameba(アメーバブログ)などが含まれています. 売上高の推移を見てみると, 2019年には465億円であったものが毎年増収を重ね,2023年は1411億円となりました. 一方で,営業損益は減少してはいるものの常に赤字(2023年は-115億円)であり,今なお投資を続ける時期,育てていく時期であるということがうかがえます. 特に,「FIFA ワールドカップ」の配信などは,人数を多く集めることに成功した一方で,収益性は高くなく,これらを人々に広める段階としての投資であると思われます.

インターネット広告事業(1267人(本社)/1936人(連結会社))

サイバーエージェント創業以来の事業であり,売上高を成長させながら営業利益は安定して推移しています(売上高4053億円,営業利益183億円). サイバーエージェントの広告事業は,AIに基づき広告効果をあらかじめ予測するなど,独自のノウハウを持っており,単に過去から続けているというだけでなく,最先端の技術も取り入れていることがうかがえます. 実際,売上高だけで見れば,メディア事業と後述するゲーム事業を合わせたよりも大きく,売上の柱であることがうかがえます.

ゲーム事業(25人(本社)/2378人(連結会社))

某馬のゲームなど,収益性の高いIPが今まで稼ぎ頭となっていましたが,そのブームもいったん落ち着き,2019年ごろの売上高,営業利益に戻っています(売上高1791億円,営業利益227億円). 決算説明会資料をみても,ゲーム事業のさらなる拡大を目指す一方で,ここ数年のブームは突発的なものであって,いったんは売上・収益ともに減少することを見越しているように思われます. また、事業に割かれている人数を見てみると、ゲーム事業に携わっているのはほとんどが子会社で採用された,あるいは本社からの出向を命じられた従業員であることがわかります.

まとめ

以上まとめると,「赤字だが着実に成長しているメディア事業」「古くからのノウハウがあり,安定した収益を稼ぎ出すインターネット広告事業」「当たり外れが大きく,一発当たると収益が跳ねるゲーム事業」の三つがあります. ゲーム事業はある種ギャンブルのような側面がありますが,インターネット広告事業で安定して稼ぐことで,「当てるまでガチャを引き続けることができる」というような強みを持っているのではないでしょうか.

これらの事業はすべてエンジニアがかかわる事業ですから,例えば消費者向けにゲームがもてはやされているとはいっても,就職後にはゲームの開発に携わるとは限らない,ということになります.とはいえ,例えば「ゲームクライアントエンジニア」のようにかなり細かく職種を分けて採用していますから,他の大きな会社に比べて,自分のやりたいことに近い職種に就くことができる可能性は高いと思われます.

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